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ジャパトラ2018年10月号 掲載

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ジャパトラ 2018年10月号に掲載された 記事のご案内

いつもマテリアルペディアをご覧くださり誠にありがとうございます。
古民家再生協会・伝統資財再生機構発行のジャパトラに掲載されました 弊社吉田の記事を紹介させて頂きます。
『TOUCH WOOD Vol.16』 タイトル『存在感を変えるデザインの力。KEYAKI REVOLUTION.』

ジャパトラ

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ジャパトラ2018年10月号 掲載ページ

 東京ビッグサイトで開催されたジャパンホームショーの主催社ブースで、ケヤキばかりのインテリアデザインを発表した。日本を代表する広葉樹、寺社仏閣材のケヤキと最先端のデザインをコラボした展示は、終始人だかりが止まないほどの斬新な空間に仕上がった。

 きっかけは、岐阜の銘木協同組合(銘協)に林野庁前長官が訪問してくれた時のこと。国産材利用促進を進める林野庁としては針葉樹をお題目としているのだが、広葉樹中心の銘協を見て、日本固有のケヤキの活用も是非推進してほしいとの要望を頂いたから、何とも人気が下降気味のケヤキを何とか生まれ変わらせたいと話していたのだった。ケヤキはその性能や木目から家具や化粧用材に適しており、昔は総ケヤキ造の玄関なんかがステイタスになっていた時代もあったが、その存在感が逆に現在は「和風っぽい、昔っぽい」という風にも捉えられがちで利用量は減っている。「ケヤキの良い時代」とともに生きてきた銘木屋さん達の多くは高齢化し、銘木業界としては危機感を感じる今日この頃なのである。

 そんな事を考えているうちに、東京の一等地でインテリアデザインを発信しているデザイナー先生に出逢ったので、ケヤキの話をしてみた。彼らはケヤキに特にこだわりがあるわけではなかったが、業界の発展を願う私たちの意図に共感してくれ、「それならいっそケヤキで全部デザインしてしまおう」ということで総ケヤキ造の玄関ならぬ総ケヤキ造のリビング “KEYAKI REVOLUTION シリーズ” を製作したのである。

 製作にあたって彼らが弊社木工所とケヤキの市場を見に岐阜まで来てくれた。著名人の住宅なども手掛けるデザイナーやインテリアジャーナリストとして活躍する彼らは、デザインセンス凡人の私とは発想が違う。枝付きのオブジェや屋久杉の変木などに驚き喜ぶばかりか、倉庫の隅のガラクタに「これはイタリアの●●(ブランド名)の〇〇(商品名)と通じる!」などと訳分からない事を興奮しながら語ってくれ、今となってはずっと在庫でどうしようもない欄間を見せても、その彫刻に顔が当たるほど寄ってありえない角度からカメラを向け続けている。また一風昔デザインで売りあぐねているチークの無垢ドアを見つけると「これをそのままテーブルにするとニューヨークの最新スタイル」だとか、こちらとしては本気なのか遊びなのかさっぱり分からない好奇心っぷりで勝手に倉庫を歩き回り、思いのほか長時間滞在してくれた。

 そんな彼らが考え出す「ケヤキレボリューション」だから、製作も一級品に難しかった。工場としては一枚板のクロゼットの扉なんて「反るから絶対やめた方が良い!」と言っても「どうしても一枚板のまま扉に!」とお互い譲らない。「一枚板は不揃いな耳があるから扉を開閉するのに干渉してやりにくい!」と職人が言えば「何とか出来ないのか!」とデザイナーが言い、工場も工場でそう言われたら出来ないとは言いたくない職人魂に火が付き、高温プレスや反り止め技術をフルに使ったり何度も試行錯誤して何とか製作する。そんなやり取りを何回も何回も経て、ようやくケヤキの一枚板ピアノ塗装ダイニングテーブル、一枚板シェルフ、一枚板クロゼット、一枚板ベッドが完成した。そこには昔のケヤキのイメージは皆無だ。「これでもか!」という程ケヤキを使い、ケヤキの手触りや色合い、上杢をふんだんに楽しめるのが、このレボリューションシリーズである。

 日本の誇るケヤキという素材美を、日本を代表するデザイナーが創造し、日本の卓越した技術で形にした家具。ケヤキの業界背景を知って懸念していた私たちが、デザインの力によって全く新しい価値として人々を印象付けている姿や完成した家具を満足そうに見つめる職人たちを目の当たりにすると、ケヤキを生まれ変わらせる家具作りにチャレンジして良かったと思った。まだまだ木材業界には希薄な「デザイン」という考え方を、木材の提案やインテリアにおいても広げていきたいと思う。

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次回は 2018年11月号を掲載予定!

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